「からむし」は、苧麻とも呼ばれるイラクサ科の多年草で、上布の原料として昭和村で栽培が続けられています。畑で栽培されたからむしの茎から取り出された繊維は、昭和村のからむし織のほか、重要無形文化財越後上布・小千谷縮布の原料に使われています。
「からむし織」は、通気性・吸湿性に富み、織り上げられた布は軽くしなやかで、独特のハリがもたらす涼しい着心地は、一度体験すると他の織物を着ることができないと言われるほどです。平成29年には、その古くから続く技術が評価され、「奥会津昭和からむし織」が国の伝統的工芸品に指定されました。Step 1畑(5月~7月にかけて)
からむし畑の春から夏にかけての作業
(雑草取り、からむし焼き、施肥、垣造り、苗(根)の植え替え、刈り取りなど)
Step 2苧引き(7月~8月にかけて)
刈り取ったからむしから繊維部分を取り出す作業
Step 3糸づくり(一年中)
繊維を細く裂き、繋いで、糸にする工程 (糸績み、撚り掛け)
Step 4織り(12月~3月にかけて)
帯1本を織り上げる工程
事業の目的
本事業では、からむし織の一連の工程と山村生活を通じて、村人との交流を深め、
昭和村の生活文化を知っていただくことを目的としています。
※詳しくは村のホームページをご覧ください。
からむし会館内 昭和村役場 総務課からむし振興室
TEL:0241-57-2116
修了生の体験談
2019年の織姫
齋藤 久美子さん
宮城県多賀城市出身
令和元年度からむし織体験生
令和2年度~振興公社勤務
私は機織りがしたくて、からむし織体験生に応募しました。それまで昭和村もからむしも知らなかったのですが、体験期間の11ヶ月間は贅沢な時間だと感じながら過ごしました。
最初はからむしの生産について学び、畑の草取りやからむし焼きをして2ヶ月後、刈り取ったからむしから繊維を取り出します(=からむし引き)。そして、からむしの繊維を細く裂いて繋げていく作業(=糸績み)を続け、最後の2ヶ月程で機織りします。植物から布をつくる工程は、ひとつひとつの作業を丁寧にすることが大切で、「てえらなこころで、じねんと」と言われるのは、まさにそうだと気付きました。
からむし織以外にも、織姫合宿所で共同生活をしたり、畑で野菜を作ったり、田植え・稲刈り・蕎麦打ちを体験したり、梅漬け・笹巻・さるっぱかま・草履・味噌作りを教わったり、地区の普請・村民運動会・バレーボール大会・お祭りに参加したりと、沢山の体験をしました。そのなかで村の人々とふれあい、その手作りの暮らしを知ることは刺激的でした。
体験生修了後も村に残ることにしたのは、様々な体験や出会いを通して、ここが私にとって心地良い場所だと感じたからです。